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入れ替え乗り換え 2



 電話が鳴った。
 夏川はキーボードへの打ち込みを右手だけで続けて、左手で受話器を取った。
「はい、高崎化学、営業2課、夏川です」
「あら、よかったわ。夏川さん、あたし」
 ねっとりと熟した女の声が電話の、向こうからささやきかける。
「ああ」
 夏川はオフィスの中を見回した。
 部屋の反対側で、もうひとり残業しているが、夏川同様デスクトップの画面に注視していて、こちらには無関心だ。
「もう、帰ったかと思いましたわ」
「残業です。ご主人のせいですよ、まったく。急にクレーム処理に出かけるから、明日の会議の資料、代わりに作ってくれ、ですからね。たまりませんよ」
 いくぶん小さな声で電話に文句を言った。
 夏川の上司はクレーム処理に行ったのではなくて、いま、まさに、夏川自身のマンションで夏川の妻の口に咥えこまれている。
 それを、夏川は知らない。
「ふふ。ごめんなさいね。宅に代わってあたしが、謝っときますわ」
「奥さんに謝られても何にもなりませんよ」
「ひどい人。ねえ、その残業、だいぶかかるの?」
「ええ。終電までかかるかも」
「まあ、かわいそう。ひどいわ大崎」
「と、最初は思ったんですがね。ネットで下調べをしたら、ちょうどいいのを、見つけましてね。それを要所要所コピーして、もう終わったも同然です」
「あら。うふふふ」
「なにがおかしいんです?」
「ふふ。主人、夕方電話があって。うるさい取引先の専務から呼び出されてるって。どうせいつものパターンで、夜中まで接待させられるって。ぼやいてました。ねえ、夏川さん、来ません?」
「お宅へ、ですか?」
「ええ。あたくし、さびしい」
 年上の女のねっちりと甘えた声。
 夏川は、ぞくぞくっとした。
「でも、やばいでしょう」笑う。
「あら、若いのに臆病ね」
「息子さんだって」
「ふふふ。それが真一郎くん、きのうから部活の合宿に行ってるの。家に、あたし、一人」
 ささやくように、「あたし、会いたい。ずっと、会ってないんだもの。それとも、夏川さん、あたしみたいなおばあちゃんに誘われて、迷惑?」
「違いますよ」
 夏川はゴクリと喉を鳴らした。「ぼくも、奥さんに、会いたい」
「じゃあ、すぐ、来て」
「ふふ。もうちょっとで終わりますから。何しろ専門家の論文ですからね。課長のレポートらしく、何ヶ所か素人っぽくして、わが社の事情も加味して。すぐ終わりますから」
「まあ、夏川さんたら。主人馬鹿にして。じゃ、待ってます。きっと来てね。急いでね」
 チュッ、と音がして、電話は切れた。
 夏川はレポートの仕上げを、張り切った。
 熟れきった年上の人妻の、極上の肉を思った。
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