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あたしのオンナ2 初めてのデート2


翌々日になった。
 晴れた、いい天気だった。
 奈津実たちの学校は創立記念日で、休みだった。
 ただ、校庭のサッカーコートで隣の区の学校との親善試合がある。午前中は、両校とも最近できた女子サッカー部の試合、お昼を挟んで男子の試合、広田由香里や岡本さつきたちは、仲のいい男子部員に頼まれて、親善試合の世話係になっている。
 最初は男子の試合の世話だけ、と気軽に引き受けた由香里たちだが、女子部から女子を差別するな、とクレームがつき、女子部員にクラスメートがいることもあって、一日それに忙殺される羽目になった。終わったあと、コンパもある。
 奈津実も一応誘われたが、一日友美を独占できる絶好のチャンスだと、断った。
 由香里たちも、納得している。
 男子サッカー部には、中学時代に「奈津実を食ったが、うまくなかった」という噂を学校中に撒き散らした洋介がいたから、奈津実が断るのも無理はないのだ。実際、友美と初のデート、ということがなくても、奈津実は誘いには乗らなかっただろう。
 友美とは会えない分、電話で何度かデートの相談をした。
「えー、でも。誰かに見られたら、怖い」
「ふうん、奈津実と会えなくてもいいんだ」
「やだ。友美だって、会いたいよ奈津実ちゃんと」
「じゃ、しよう、デート」
 最初は拒否した友美だが、奈津実の説得と、やはりなかなか会えない寂しさから、とうとうオーケーした。
 いったん受け入れると、友美は目を輝かせて(電話だから目には見えないけれど、奈津実は確信した)、
「奈津実ちゃんと初デートなのね。どんなデートにするぅ?」
 プランを夢中になって話し合った。
 ふたりがまず意見の一致を見たのは、奈津実の学校の生徒たちがよく行く渋谷は避けることだ。誰に見られるかわからない。この決定は奈津実には痛し痒しだった。
 というのも、奈津実は出来たら、友美をラブホに連れ込みたかったのだ。由香里やさつきたちクラスメートから、渋谷のラブホテル体験は何度も聞いていたし、どこの街よりも渋谷のラブホテル街は、初めての奈津実にも入り易そうに見えたのだ。
友美は、映画が見たい、といった。
 評判の映画を知り合いに勧められたのだという。渋谷から離れた有楽町がいいと言うが、奈津実はラブホテルがないので有楽町は嫌だった。
結局ふたりは新宿で妥協した。近い割には、由香里たちがあまり行かない街なのだ。都心から離れた、たとえば中央線沿線とかも考えた。顔見知りに会いそうもないしシネコンはあるが、ホテルがなかったり、あっても女ふたりが気軽に入れそうな気がしなかった。
 奈津実は書店でブティックホテルのガイドをこっそり立ち読みしたり、ネットで調べて、研究した。歌舞伎町はほとんど行ったことがなく、渋谷より殺伐とした印象があったが、仕方なかった。
 当日、二人はケータイで連絡を取って、同じ電車の別の車両に乗った。

隣同士の車両に乗るとき、多くの乗客越しに、相手をちらりと確認した。
 その日、初めてお互いの姿を見たのだ。
 奈津実はにこりと微笑んで見せた。すらりとしたからだに黒いTシャツにジージャンとジーパンで決めていた。
年上の人妻はちょっと緊張している。
 ばっちりきれいに化粧して、かわいいワンピース姿はともかく、つばの広い帽子と、軽い色のサングラスは、変装か何かのつもりだろうか。通勤時間は過ぎているとはいえ満員の電車で、背の低い友美があの大振りな帽子はないだろう、と奈津実は苦笑して、電車が発車すると、メールでからかった。
 早速返事が返ってきた。
「奈津実のバカ 奈津実だって。。。」
 奈津実も男物のアポロキャップをかぶっている。
「でも、カッコいいよ 奈津実 モデルさんみたい」
「ふっ 友美さんに 比べればねー」
「ふんっ どうせあたしブーよ ふんっ」
「でも そういうブーな友美さんがすき 大好き」
「バカ 奈津実のバカ」
「友美さんに今すぐチューしたい 友美は????」
「したいしたいしたい 奈津実にチューされたい」
 明大前で乗り換え、ふたりは同じ車両で、数メートル離れて、立った。
 サングラスだけは、さすがに外したようだ。友美がメールを打っているのを奈津実はチラ見した。すぐ来た。
「奈津実が見える かわいい うードキドキ 心臓バクバクだよ」
「そかな なんか落ち着いてるよーに見えるぞ どっかり落ち着いたオバサマ」 
「ふんっ どうせどっかりよ ばばあよ」
「どっかり 好きよ ばばあも 好きだよ友美」
「ヘンタイ」
 立っている友美の前の席の客が降りていった。友美は座って、
「ばばあは すわるよ」
 奈津実は移動して、友美の前に立った。
「上から友美見下ろしてるよ 友美かわいい 胸おっきい うーなめまわしたいニャー」
「えっち バカ あー 奈津実の足がさわってるー」
「ほれ 足割ってやったぞ すりすり」
 電車が止まって、友美の隣の席が空いた。
 奈津実はすばやく座り、ジージャンを脱ぐとひざに、かけた。
 人妻も、つば広の帽子を脱いで、ひざの上に載せる。
 少女は、その下で手を伸ばし、友美の手を握った。
「にぎにぎ あったけー」
「あったかいね ふふ 左手でメールしてる奈津実 ぎこちない」
「ほれほれ マタさわるぞー」
「いやんバカ えっち」
「おまんこすりすり ぬれてるだろ友美」
「もー 初デートなのよ もっと清純なデートしよ」
「すまぬ 反省 でもすりすり」
「えっちー」
「あーん ってあえいでよ」
「あーん」
「だめ 心がこもってないよ もっとエッチにさ」
 電車が急に止まって、皆なががくんとなった。
 奈津実はすばやく、これに乗じた。
 揺れる振りして、友美のほほにキスした。
「あっ セクハラっ」
「ふふ うんてんへたすぎ でもチュー出来た」
「やだー まわりに ばれてない??」
 ドアが開いて、二人は降りた。
 手をつないで、降りた。
「これからメール禁止。お口で話そう」
 奈津実は友美の耳に口を近づけてささやいた。
 友美は、ふふっ、と笑った。
 友美の見たい映画は歌舞伎町でも新宿3丁目でもやっている。奈津実は、手を引っ張って歌舞伎町を目指した。どうせならラブホテルに近いほうが、いい。友美は何の疑問もなく、手をつないだ奈津実に従った。
 映画館にたどり着くまで、ずうっと二人は手をつないでいた。
 街中で手をつないで、もう少しドキドキするかと思ったら、
「なんか、ふつーだねー」
「ふつーだねー。おれたち、なじんでる」
群集たちはお互いに無関心に流れていく。
「ふふ」奈津実はこっそり友美のほほに、チューした。
「いやん。やり過ぎ」友美はほほを染めた。
 友美があらかじめ買っていた前売券で入ると、友美は、
「ちょっと、待っててね」
 お手洗いに行った。
 奈津実は飲み物をふたつとポップコーンを買って、出てきた友美と場内に入った。
 平日の朝一回目のせいか、客席は半分も埋まっていない。
 前後左右ががらがらの席を選んで、ふたり並んで座った。
 暗くなって予告編が始まると、少女は、友美の帽子を脱がせて自分の膝に乗せた。ポップコーンをつまんで友美に食べさせる。
「おいしい?」
「うふ、おいしいよ」
 ふたりは手を握り合って、予告編を見た。くだらないアメリカン・コメディーの予告だった。
「ひでー。これ、笑えねえよ」ささやいた。
「でも、この子、かわいい。新人の子?」人妻は甘い声でささやき返した。
「あ、友美さん。女優に興味あるんだ」
「かわいいよ。なんとなく奈津実ちゃんに似てない?」
「げっ。なんだよ。似てねーよ。押し倒して、犯すぞこら」
「奈津美ちゃん下品、・・・・あっ、これ、よさそう」
 次の予告が始まっていて、これは友美好みの甘い恋愛モノだった。
 ふたりは手を握って、じっと予告に見入った。
「・・・・これ、いい。泣けそう」
「友美の好み?」
「うん」
「じゃあ、次はこれ見に来よっか」
「うん、見たい」
 奈津実は友美にねっとり口づけした。
 友美は素直に奈津実の口づけを受け止めた。
 くちびるを離して、ふたりは微笑んだ。
 暗闇の中、悲鳴が轟いた。
 次はホラーものの予告だった。
「やーん。あたし、嫌い」
 おかげでこの予告編中、奈津実は年上の人妻に覆いかぶさり、耳を両手で塞いで、くちびるをくちびるで塞いで、友美を守りきった。
しかし、奈津実が格別いい思いをしたのは、予告編だけだった。肝心の映画が始まると、悲恋モノで、ずうっとすすり泣きの友美に、いたずらを仕掛ける雰囲気ではなかった。
 内心は、こんなベタなメロドラマで泣きやがって、と思ったが、素直に感動してすすり泣く年上の女が心からかわいらしかった。
 手をずうっと握りしめ、時々下心抜きのやさしいキスをほほにして、涙を指でまじめにぬぐってあげることしか出来ない。
 でも、奈津実は幸福だった。
「あっ、こいつ、やな奴。許せねー」
 男の主人公がヒロインにつらく当たると、奈津実は低くののしった。
「奈津実ちゃんは、こういうことしない?」
「たりめえーだよ。自分の女だからって、ひでーよ。許せねーよ」
「もう。奈津実、声大きい。恥ずかしいーよ」
「ごめん友美、許して」
 やさしくチューをして許しを乞うた。
「許してあげる、優しい」
 キスを返してくれた。
 クライマックスで、友美は声を殺し、肩を震わせ、泣いた。
 友美は咽んで、ひくついた。
 奈津実は肩を抱いて、友美の髪を撫でさすった。肩から肩に伝わる、友美の震えが、好ましかった。
 
 泣きに泣いた友美も映画を見終わると、またお手洗いに行って、さっぱりした顔で、「おなかすいた」と、自分から手をつないできた。「お昼、食べよ」
 もちろん奈津実は駅方面に戻るでもなく、さりげなく都の施設ハイジアのほうにつないだ手を誘導した。
「えー。お店あるの」
 殺伐した新宿の街の雰囲気に慣れていない友美は奈津実にすがりつく。
 歩き回ったが、なかなか適当な店がない。適当でない店すらなかった。ヤバくても、渋谷に行くべきだったかな、奈津実は後悔した。
 ぐるぐる歩いて、少しの距離しかなかったのに、歩き疲れた友美はふくれっ面をした。
「もー、お腹すいたぁ」
 まるで幼い少女のように、奈津実をにらみつけた。甘えている証拠である。
「もう、ちょっと探してみよ。だめだったら、手近のラーメン屋に入るとかさ」
「もー」
 なだめつつ、奈津実はつないだ手をホテル街のほうに誘導した。
「あー、なんだかエッチっぽいとこに来た」
「え、そう?」
「奈津実ちゃん、なんかたくらんでる」
 奈津実はニヤニヤした。
「友美さん、もう子供じゃないんだからさ」
「えー」
 手をぎゅっと握ってやった。
「友美は、抱かれたくないの」目を覗き込んだ。
「えー」友美はもじもじした。「抱かれたいよ、友美だって」
「じゃ、しよ」
「でも。でもでも。女同士で入れないよ」
「入れる。誰にも出会わなくていいとこもあるんだって」
「でも。でも。恥ずかしいよ。あ、あの人こっち、見てる」
「大丈夫だって。ここは新宿だよ。誰も気にしないよ」
「あー、奈津実ちゃん、最初から。ひどーい」

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